1月候補者
武双山

武双山 オープンカーで優勝パレードに出発する武双山



2000年1月24日付紙面掲載

「平成の怪物」遅咲き初優勝

 2000年代最初の場所は関脇武双山(27=武蔵川)が制した。初の単独トップで迎えた千秋楽。魁皇(27)を一気に押し倒し13勝目を挙げ、悲願の初優勝。武蔵川部屋6連覇を達成した。武双山は「平成の怪物」と騒がれながらケガに泣いた。新入幕から39場所目の初優勝は歴代5位タイのスロー記録。苦難を経て開花した大器は来場所、4度目の大関どりに挑む。

 世紀末に怪物は復活した。初優勝の重圧など、魁皇もろとも吹っ飛ばした。低く、鋭い踏み込みでまともに引きにきた魁皇を一気に押し倒した。その力強さは「平成の怪物」と恐れられた7年前の相撲だった。

 新関脇までは、いずれも歴代1位のスピード記録。だが、入幕してから39場所目の初優勝は、逆に歴代5位タイのスロー記録となる。番付を駆け上がってきた勢いはケガに奪われた。過去3度の大関どり、腰痛や体調不良で失敗した。初優勝と大関昇進で出島に先を越され「怪物」の称号も雅山に奪われかけていた。

 昨年名古屋場所、武双山は出島の優勝パレードの旗手を断った。出島の躍進に対し、自分のふがいなさが許せなかったという。口には出さず、心の中でライバル心を燃やした。今場所の13勝もすべて、気迫で奪った白星だった。

 初優勝の夢はかなえても、さらに大きな目標が残る。武双山は言った。「逆にケガがあったから今があるんです」。苦境を経て、怪物の精神力はたくましく成長した。武双山は強い心で勝負の春に臨む。