10月候補者
マルティネス

マルティネス
西武対横浜(4) 6回裏西武無死一塁、マルティネスはシリーズ初安打となる、左中間場外への推定135メートルの勝ち越し2ランを放つ



98年10月24日付紙面掲載

ドでかい初安打で決勝2ラン!

 マルちゃんパワーの本領発揮だ。西武マルティネスにどでかいシリーズ初アーチが飛び出した。2―2で迎えた6回無死一塁から、左中間場外に決勝2ランをたたき込んだ。西武の助っ人のシリーズアーチは1992年(平4)のデストラーデ以来。飛距離だけではなく、対戦成績を2勝2敗のタイに引き戻す、大きな意味を持つ一発だった。

 走る必要はなかった。打った瞬間、マルティネスの全身はホームランの感触を感じ取った。「パーフェクトな当たりだった」。打球は外野席を取り囲むコンクリートのフェンスを越えて、外周の通路で大きく弾んだ。日本シリーズで放った初の本塁打。その感触を味わうように右手を突き上げてゆっくりと動き出した。

 2―2で迎えた6回無死一塁。不振の大砲に、超ド級の一発が飛び出した。横浜谷繁が「あれで(バットの)シンじゃないのに!」とマルちゃんパワーの場外弾には口をあんぐり。相手も味方も、そして観客もド肝を抜かれた。「日本シリーズのこの雰囲気の中で打てたことは最高の気分だよ。今年、一番の当たりだったね」。会心のひと振りに、久しぶりのスマイルをふりまいた。

 昨年の日本シリーズではヤクルトから徹底マークされて、16打数3安打という不振に終わった。雪辱を期すはずだった今季だが、昨年以上に悪い状況が待っていた。オールスター以降から続いたスランプ。シーズン終盤にきても、なかなか浮上のキッカケがつかめなかった。ひざに疲れがたまって、思うように動けなかったのが原因だった。

 シーズン終盤は弟分である同じドミニカ出身のペンバートンに4番の座を明け渡した。今季限りでの解雇もささやかれた。シリーズに入っても横浜での2試合はスタメン落ち。4番指名打者に戻った第3戦でも勝利の中、無安打に終わった。本塁打が出るまで電光掲示板に映された打率は・000。そんな苦しい中でも、陰での努力だけは怠らなかった。