<GG BOYZ・結成1周年インタビュー>

「eスポーツ元年」にプロゲーマーになった男たちの「プロ論」は現実主義的だった。人気プロゲームチーム「GG BOYZ」が、27日に幕張メッセで開催される「第4回スプラトゥーン甲子園全国決勝大会」で連覇を狙う。17年12月のチーム結成から、プロとして過ごした激動の1年を振り返り、19年への思いを語った。第1回はリーダーのたいじ(27)に迫る。

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プロとは何か。会社員からプロゲーマーに転向して1年。たいじの答えはシンプルだった。

 たいじ プロゲーマーとして、大舞台で力を出さないとアマとプロの差って無いじゃないですか。スプラって賞金とか無いんで、アマチュアとプロの差がないんですよね。でも勝ったらヒーローになれるじゃないですか。

大舞台で勝ち、ヒーローになることがプロ。18年は日本王者となり、世界王者となり、実力と人気を示した。根底にあるのは「ゲームが好き」という思いだ。

 たいじ もともとプロになろうというのは、他のチームに誘われていたんですよ。でも誘われていったら、他のチームの名前を背負わないといけない。それが嫌だった。どうせやるならば、1からと思って。オープンレックさんに相談して、できた。GGの由来は「Good Game」。良い試合をしましょうねという意味です。負けても、楽しければいいじゃないですか、ゲームって。それをどれだけ出来るか。

楽しむという姿勢は会社員時代から一貫している。

 たいじ 朝7時に起きてから出社して、21時か22時に帰ってくる。そこから夜中の3時くらいまではゲームをしてましたね。それをずっとループしてましたね。睡眠時間4時間。社畜でしたね。まぁゲームをやることがモチベーションでしたね。

eスポーツが活況となり、小中学生のファンも増え、将来の夢にプロゲーマーが挙げられることもしばしば。それでも、楽しむだけではプロは務まらないと警鐘も鳴らす。

 たいじ プロゲーマーだけを目指すのはダメだと思います。いろいろとやってみて、プロゲーマーになれるかもって自信が出たら、目指しても良いかもしれない。eスポーツもこの先、数年でどうなるかですね。すごく流行っていると思いますけど、やっぱり怖いですよね。プロスポーツ選手に近い。結局自分よりうまい人がいたら、下に行っちゃう。勝負の世界って。相当な自信がないと目指すのはよくないかもしれない。1つのタイトルがずっとあるわけでないのでね。

実力勝負の世界だからこそ、戻れる場所を作る必要性を訴える。自身も会社員とゲームをしっかりと両立させ、家族を養うだけの見通しを立てた上で動いた。

 たいじ そのくらい確固たるものがあってからプロを目指すべきですよね。収入もなくただゲームだけをやってたら、引きこもりですよ。有名になって稼げるというのは本当に一握りだと思います。だからゲームだけやっているのはダメですよ。バクチです。子どもたちには勉強もちゃんとした方が良いという。勉強もした上でゲームをして、上を目指せばいい。ゲームがうまかったら、このゲームは上にいけるなとか分かるんですよ。僕も社会人で仕事をしながら、やることをやった上で時間を割いていた。最初からプロゲーマーを目指して1日十何時間とかやっちゃダメ。やっぱり自分で自立してやるべきだと思う。それは現実的に考えた方がいい。

プロゲーマーになり、厳しさも楽しさも感じた18年。19年はどんな年にするのか。

 たいじ チームの目標は1月に闘会議の甲子園で優勝して、NPBさんの大会もあるので、選出されたら優勝を狙いたい。でも、プロとして勝つためにやっているんですけど、人気が1番。スプラは賞金が出ない以上はどれだけ人気かが大事になってくる。人気は実績に直結する。勝って人気があるっていうのが1番いい。憧れられるチームになれればいいなと思ってます。それが格好いいですね。

ファンを楽しませ、勝つ。自分たちがあるべき姿を、確かに描く。

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<たいじ語録>

 ◆18年の1文字 「勝」ですね。出た大会、大きい大会では優勝することが出来たので。GG BOYZとしていい1年でした。他もプロチームが出てきたんですけど、その中でも1番勝てたと思う。GGとしていい1年でした。

 ◆まさかの痛み止め スプラのインクって強烈じゃないですか。だから2時間とかやるとチカチカして、頭が痛くなったことはあります。ロキソニンを飲んでやったりとかしてましたね。でも楽しいからコントローラーは離さない。だってゲームを止めたら、寝るしかない。だからゲームやる(笑い)。

 ◆GG勝利の方程式 (甲子園予選の)ガリガリーズ戦では、ナワバリの動きの理解が足りないから負けたという印象だった。スプラって自分たちのやりたいことを押しつけた方が勝つんです。パワプロは相手の配球を読まなくちゃいけないですけど。スプラはやりたいことができれば勝てるゲームなので。全員が前に出て押し切るというのがGG BOYZの勝ち方です。

 ◆緊張したのは… 強いて言うならば、初めて出た公式大会の1回戦ですね。初めて大会に出たので。顔出しも初めてでしたし。そこくらいですね。

 ◆奥さんからの〝エイム〟 一緒にゲームはやらないですね。僕はゲームうまいじゃないですか、で向こうはうまくない。イライラしちゃうんですよ。ケンカになっちゃう。あっちはあっちでうますぎてつまらない、こっちはこっちで下手だからつまらないって言ってる。(でも仲良いですよね?)配信中にファブリーズかけられたのありましたね(笑い)。

 ◆確固たる自信 僕はアクションゲームなら大体行けるかなと思ってます。逆にパズルゲームとかは全然ダメ。アクションは大体のゲームでいけるなという自信がある。