早大・斎藤佑樹投手(1年=早実)が「ケンカ投法」で3回5奪三振だ。11日、早大・沖縄キャンプで初の紅白戦に先発。今季初実戦ながら、最速144キロをマーク、42球を投げて1安打5奪三振と順調な滑り出しを見せた。

 明確なテーマを持って臨んだ。初回は16球中、半数以上の9球が内角球。直球、スライダー、ツーシームと多彩なボールを打者の胸元に投げ込んだ。「去年まではアウトコースが多かったので、インコースを有効に使いたかった」と自ら捕手に申し出た。1年生だった昨年は、先輩に当ててはいけないという遠慮もあり、特に紅白戦では外角攻めが多かった。実績に加え、確かなコントロールがある今は、気遣いは不要。投球の幅を広げるために欠かせない課題に取り組んだ。

 「今までより力で押せました」。2回は内角攻めを逆手に取るように、後藤貴司内野手(1年=早実)から宝刀の外角低めスライダーで空振り三振を奪った。「久しぶりの実戦だし、楽しかったです。内容も良かった」と手応え十分のスタートだ。20歳を目前に控え、さわやかイメージから大人へと脱却を図る今季。「悪い斎藤」が他大学の胸元をガンガン攻める。【前田祐輔】