<北東北大学野球:岩手大4-2八戸大>◇第3週最終日◇5日◇岩手県営野球場

 岩手大が、延長10回4-2で3連覇を狙う八戸大に土をつけた。4回に重盗で同点に追いつき、10回に犠飛と二塁打で2点を勝ち越した。投げては3投手のリレーで相手打線を2点に封じた。3番手で6回から登板した三浦翔太投手(1年=盛岡大付)が、5回2安打無失点と好投。リーグ戦初勝利を飾った。

 国立の岩手大が、昨年明治神宮大会4強メンバーがズラリ残る横綱・八戸大を破った。3投手の継投で、延長戦まで持ち込んだ岩手大。最後は八戸大のエース桜田裕太郎(3年=神奈川・横浜)まで引きずり出すと、小比類巻英史主将(4年=青森・光星学院)の二塁打で突き放した。八戸大からは3季ぶりの白星だ。

 勝利の立役者はルーキー三浦だ。6回から登板、許した走者は2安打の2人だけ。下手投げから抜群の制球力と緩いシンカーを交えた。時折横からも投げ、相手打線を翻弄(ほんろう)した。3日の八戸大との1回戦でも先発し、6回1失点と好投していた。「八戸大はスゴイ打線。小細工を使わないと抑えられませんから」と三浦。地面スレスレからの投球は、ロッテ渡辺俊介をほうふつとさせる。「高1で下手投げにした時、ビデオを撮ってはずっと見ていた」という。

 前週の初戦から4戦全試合登板、15回を投げ1失点。沢村省逸監督(44)は「素晴らしい安定感。走者が出てからも対処できる。使いべりもしない」と評価する。Aクラス入りと初の2位以上を目指す岩手大にとっては、心強い新人が登場した。【清水智彦】