<社会人野球・全日本クラブ選手権北関東大会:伊勢崎硬建クラブ6-9茨城ゴールデンゴールズ>◇10日◇足利硬式野球場

 欽ちゃんが、劇的なサヨナラアーチで4年連続の全国切符をつかんだ。萩本欽一監督(67)率いる茨城GGが、伊勢崎硬建クラブとの決勝戦で、代打坂巻卓也捕手(24=中大)がサヨナラ3ランを放ち、9-6で勝利した。昨季初優勝した全日本クラブ野球選手権(8月8日~4日間、山口県)に4年連続4度目の出場を決めた。

 雨の中、欽ちゃんが坂巻の頭をポンとたたいて代打に送り出した。土壇場9回に元ダイエーの守護神吉田修司投手(42)が同点に追い付かれた。まさかの展開に意気消沈する中、坂巻が初球を左翼スタンドにたたき込んだ。起死回生の1発に「(坂巻には)目を見て何か言ったんだけど忘れちゃったよ~」と大興奮だ。

 お笑い抜きのガチンコ勝負で、欽ちゃんの采配がさえた。坂巻は「『行ってこい』って言われて。魔法になったんじゃないですか」と感謝。3-3の同点から一時勝ち越しとなる適時二塁打を放った池上勝之外野手(28=相武台高)の額には、ばんそうこうでバツ印をつくった。決勝直前に欽ちゃんが「ここから気が抜けちゃうの~」とやったおまじないが、すぐに結果につながった。

 初の米国遠征から2日に帰国。その後も秋田、青森移動の強行日程だった。厳しい調整状況だったが、2試合5発の長打力で吹き飛ばした。萩本監督は「もうここまで来たら流れに乗ってね。今年はここが危ないと思ってたから」。目指すは2年連続の日本一。今年も笑いと実力を兼ね備えて全国に乗り込む。【前田祐輔】