<全国社会人野球決勝・宮城県大会:JR東日本東北7―0七十七銀行>◇最終日◇4日◇名取スポーツパーク愛島球場

 決勝でJR東日本東北が7-0の7回コールドで七十七銀行に快勝し、3年ぶり24度目の優勝を決めた。エース摂津正(26=秋田経法大付・現明桜)が3安打で0封。校名が変わった母校の知名度アップのためにも、東北大会(2次予選=28日から6日間・仙台市民球場ほか)での活躍を誓った。摂津はじめ、今春優勝した出身校に刺激を受けた選手たちが、プライドをぶつけ合った。

 高校時代から大切にする投球スタイルで、摂津が胴上げ投手となった。最速146キロの直球を低めいっぱいに投げ込む。奪三振は3個も、コーナーを突く投球で相手打者のバットを詰まらせ内野ゴロは11個。「直球を軸とした投球は昔から変わらないので」と、胸を張って散発3安打の快投を振り返った。

 今春、母校が3年ぶりに春の県王者に輝いた。昨年4月に校名が変更。摂津は「学校の知名度が下がってしまう気がして正直、微妙でした」と複雑な胸中を明かした。その高校時代に、摂津の野球人生の原点がある。00年センバツで東洋大姫路(兵庫)に、9回4失点で初戦敗退。浮いた球を痛打され低めへの制球力の重要さを痛感させられた。それだけに「名前が変わっても母校ですからね」と、恩返しの思いが強い。

 3完投でチーム初優勝に貢献した5月のJABA東北大会に続き、今大会も最優秀選手賞を受賞。阿部圭二監督(52)も「言うことないですね」とエースの好投をたたえた。期待に応えるように摂津も「まずは本戦に出て去年以上の成績を狙います」と、目標を全国4強入りした昨年の日本選手権より上に置く。生まれ変わった母校をアピールするためにも、頂点を目指す。【由本裕貴】