<都市対抗野球・2次予選東北大会:TDK1-0JR東日本東北>◇8日目◇5日◇名取スポーツパーク愛島球場◇敗者復活戦(第2代表決定戦)

 4日に延長16回の死闘を繰り広げ引き分け再試合となった一戦は、TDK(秋田・にかほ市)に軍配が上がった。3年目の田口篤史投手(25=東洋大)がJR東日本東北(仙台市)に7安打を許しながらも、要所を締めて完封。同じく3年目の4番高倉啓司外野手(29=大産大)が、虎の子の1点を適時打でたたき出した。3年連続11度目の全国切符(8月29日開幕=東京ドーム)を、一昨年に日本一を経験した投打の主軸の活躍でもぎ取った。

 最後の打者が放った球足の速いゴロが、自らのグラブに収まった瞬間、田口は「全国切符」を確信した。送球するため一塁方向へゆっくり走る顔には、既に笑みがこぼれていた。9回を投げきり被安打7、奪三振は4。「変化球が狙い通り行かなくて、後半は8割が直球でした」と田口は振り返る。3者凡退は3、5、6回だけだったが、最速144キロの直球で11個のアウトを凡フライで稼いだ。

 「先制点を取るまでは絶対、点をやらない」という田口の気迫が打者に伝わったのは4回。1死三塁で4番高倉に中前適時打が生まれた。右腕を突き上げながら一塁へ走った高倉は「年が違いますけど、田口とは同期。仕事ができて良かった」と安堵(あんど)の表情。田口も「公私とも仲のいい、頼れる先輩です」と最敬礼だ。

 野田正義投手(29=桜美林)が演じた4日の死闘後に「明日は頼む」と声をかけられたことも、田口のエネルギーになった。優勝した06年の本大会では、優秀新人に贈られる若獅子賞を獲得。連覇を目指した昨年は、まさかの1回戦負け。田口は「今年は勝ち抜いて優勝旗と橋戸賞を狙う」と高らかに宣言した。第2代表から頂点に駆け上がった2年前の夏-。自らの右腕でこの夏、夢を再現してみせる。【山崎安昭】