<北東北大学野球:岩手大1-0青森大>◇第1週初日◇23日◇青森県総合運動公園野球場

 岩手大が春季優勝の青森大に1-0でサヨナラ勝ちし、開幕戦を飾った。右下手投げの1年生、三浦翔太(岩手・盛岡大付)が6安打9奪三振の好投で完封。攻めては9回裏1死一、三塁から、敵失でサヨナラの勝利を収めた。2季ぶりのV奪回を狙う八戸大は、ノースアジア大を8―0で退け順調なスタートを切った。

 「優勝候補キラー」の三浦が、またやった。直球、カーブ、シンカーを巧みに投げ分け、青森大打線を封じた。1年生ながら春から登板し、春は2勝2敗。その2勝は青森大と八戸大から挙げた。そしてこの日、リーグ3勝目を、またしても青森大から奪った。

 9回表は1死一、二塁のピンチを招いたが2死後、石田真大三塁手(1年=青森東)がファウルフライを好捕。ピンチをしのいだ。その裏、先頭の1番後藤禎隆(2年=岩手・花巻東)が中前打で出塁し、すかさず二盗。これが効いてサヨナラ勝ちにつながった。三浦は「うれしい。自分は精いっぱい投げただけ。みんなのおかげです」と感謝した。

 沢村省逸監督(44)は「三浦が予想以上によく投げてくれた」と会心の表情。春は全チームから1勝ずつ挙げ、勝率5割で4位。1部リーグ唯一の国立大として健闘した。部員数24人の小所帯だが、三浦は「人数が少ない分、チームが1つになり、声も掛け合ってチームワークで戦う」と、闘志を燃やす。

 「相手がどこであれ、一戦必勝。ナインはやってやるぞの気持ちです」と沢村監督。大物食いから上位、さらには優勝争いへ―。国立の星が上昇気流に乗る。【北村宏平】