草薙ベースボールフェスティバルおもしろマッチが13日、草薙球場(静岡)で行われた。草薙が笑いに包まれた。タレント萩本欽一(67)率いる茨城ゴールデンゴールズと東国原英夫宮崎県知事(51)が監督を務める「チームそのまんま宮崎」が、野球で対決。スタンドを巻き込んだ両監督のマイクパフォーマンスに1万人の大観衆は大喜び。宮崎、茨城の県産品を置いた売店も盛況だった。試合は全日本クラブ選手権を2連覇している茨城が、8-2で大勝した。

 全国的人気を誇る両監督の対決に、1万人の大観衆が沸いた。4回表2死。三塁側ベンチ前で東国原監督がマイクで告げた。「ピッチャー、僕」。これを受けた萩本監督は「バッター酒井(忠晴=元中日、楽天)に代わって、僕」。2球目に投手左へのゴロを打つと、欽ちゃん走りで一塁へ向かった。マウンド上の東国原投手は、ガッツポーズを繰り出した。そこに場内アナウンス。「知事、コメディアンを打ち取ってのガッツポーズは大げさです」。球場が笑いに包まれた。

 2人の掛け合いは、息がぴったり合っていた。ファウルボールが出ると、スタンドに吸い込まれてから一呼吸置いて、東国原監督はマイクで「危な~い」とボケる。そこに欽ちゃんが「遅いよ ! 」とツッコむ。打ち合わせなしのアドリブ合戦。茨城は全国大会連覇するほど野球のレベルが高いだけに、緊張と緩和が笑いを生んだ。

 時事ネタも盛り込まれた。5回表の直前。「球場内の方からの質問です。知事は知事のままですか?」とアナウンスが流れた。今月上旬に衆院選出馬が取りざたされていた東国原監督は、突然のことに額をふきながらベンチ前に出て「知事のままです」とマイクで回答した。

 後の予定があった東国原監督は、終盤に会場を後にした。欽ちゃんは観客との掛け合いを始める。7回裏無死一塁。三塁側スタンドの梶山統生さん(40)が「走れ、走れ、田中」と一塁走者の応援を始めると、次打者の遊撃ゴロで二塁封殺。これに欽ちゃんは「その通りだな。走ってればよかった」。急きょ梶山さんにメロンと常陸牛を届け、盛り上がりは増した。試合後「応援と1つになって受ける。僕の理想とする野球ができた。4年間で初めてだよ」と話した欽ちゃん。大いに静岡が気に入った様子だった。【斎藤直樹】