<東京6大学野球:早大0-0明大>◇第6週2日日◇19日◇神宮

 早大のドラフト1巡目候補、松本啓二朗外野手(4年=千葉経大付)が史上28人目の通算100安打を達成した。今季、上本博紀内野手(4年=広陵)も達成。1チームの同学年選手がともに100安打を達成するのは史上初。試合は0-0で明大と引き分け、1勝1分けで勝負を3回戦に持ち込んだ。

 ボテボテの二塁ゴロで、松本は一塁まで全力で走った。1回2死。記録よりも先制点を取りたい一心だった。50メートル5秒9の俊足を飛ばして、間一髪セーフ。「自分らしいヒット。汚いですけど」。自分に厳しいバットマンが、内野安打に少しだけ笑みを浮かべた。この試合4打数3安打で打率は4割9厘。大学ラストシーズンで、首位打者争いを独走する。

 走攻守3拍子そろう大学生野手の目玉候補だ。あこがれのイチローをビデオで研究して、守備、打撃を磨いた。千葉経大付3年夏は、エースとして東北高のダルビッシュに甲子園最後の黒星を付けた。投手出身らしい遠投120メートルの強肩は華がある。上位候補に挙げる阪神、日本ハムなど、すでに10球団以上から調査書が届いている。

 上本とともに、同じチームの同学年で100安打を達成した。「お互い切磋琢磨(せっさたくま)できた」と振り返る。21安打を放った2年春に、100安打を明確な目標に定めた。運命のドラフトは30日。「自分の意思ではどうにもできない。その時その時の勝ちにこだわることが、アピールになると思う。明日勝つだけ」と静かに誓った。