社会人野球のJR北海道に頼もしい新人が加わった。都市対抗優勝3度の名門で、昨年12月をもって廃部となった三菱ふそう川崎(神奈川)から、福山雄(25=法大)と吉田友輝(23=兵庫・三木北高)の2投手が1日付で入社。チーム練習に8日、合流した。

 札幌・白旗山距離競技場での初練習、福山にとってはすべてが、新鮮だった。「真っ白な世界で、再スタートが切れました。初心に戻り、知らないもっと違う自分に出会える気がします」と口にした。183センチの大型右腕で、法大では4年秋のリーグ戦優勝に貢献した。だが、社会人入り後は都市対抗、日本選手権とも登板機会がなく、大舞台で結果を残すことはできなかった。

 JR北海道は、エース神田幸輝(36)が3月で退社する。投手陣は2年目の湊倫也(23)が中心となるが、層が薄い。高岡茂夫監督(58)は「湊と2枚看板になってほしい。もっと上を狙える」と期待を込める。福山も秘める思いがある。三菱ふそう川崎の仲間は、全国各地のチームにバラバラに散った。昨年、12月6日の解散式を兼ねたOB会で、福山は「新天地で力を出します」と誓った。チームに恩返しをし、8月の都市対抗本大会で昔の仲間との再会と戦いを楽しみにしている。【中尾猛】