<東京6大学野球:法大6-2立大>◇第2週2日目◇19日◇神宮

 今秋のドラフト1位候補、法大・二神一人投手(4年=高知)が8安打2失点(自責0)で無四球完投し、立大を6-2で破った。右肩の違和感で開幕投手を回避したが、最速147キロで前日サヨナラ負けしたチームを救った。

 四国最南端の足摺(あしずり)岬で生まれ育ったドラフト1位候補が、大学ラストイヤーを完投発進だ。147キロの直球にカーブ、スライダー、フォークを織り交ぜ立大打線を2失点に抑えた。二神は「昨日落としているので、何が何でも勝ちたかった」と納得顔だった。

 6日のオープン戦で右肩に違和感を覚えた。5日間投球練習を行わず、開幕戦先発は回避した。「もう大丈夫。無四球で、何より勝てたことが一番」と踏ん張った。連敗なら優勝が遠のく一戦。154キロ右腕、武内久士投手(4年=徳島城東)がベンチを外れる非常事態をエースが救った。

 高知空港から4時間近くかかるという高知県幡多郡で生まれ育った。小学6年生の時、全校生徒は6人だった。幼少時から船に乗って、家業のカツオ漁を手伝い足腰を鍛えた。この日は国内球団に加えて、ジャイアンツなどメジャー球団も視察。「光栄ですけど、今やるべきことをしっかりやるだけ。勘違いしないで一生懸命やりたい」と前を向いた。【前田祐輔】