<東都大学野球:立正大4-1国学院大>◇第6週最終日◇15日◇神宮

 首位に立つ立正大が国学院大を破り、悲願の初優勝に王手をかけた。中1日で先発したエース南昌輝投手(3年=県和歌山商)が1失点完投。打線は中嶋辰也三塁手(2年=銚子商)の初本塁打などで小刻みに4点を奪った。これで勝ち点3(8勝4敗)とし、27日に行われる第5週の残り試合、青学大2回戦に勝てば、49年(昭24)の創部以来初となる優勝が決まる。

 立正大・南は、勝てば王手がかかる試合にも落ち着いていた。2点リードの3回、失策から1死満塁とされたが、慌てない。1球で二塁併殺に仕留めた。「同点までOKと思って投げた。点をとってくれたんで、余裕があった」と話した。9回に150キロを計時する余力を残し、114球を投げ抜いた。

 国学院大とは春、4回戦を戦い、延長13回にサヨナラ負けした。前日(14日)も敗れ、この日負ければ相手に王手をかけられる試合だった。それでも伊藤由紀夫監督(58)はナインに何もいわなかった。前日、合宿所に戻った選手たちは、深夜まで自主練習と取り組んだ。副将の黒葛原(つづらばら)祥二塁手(4年=横浜)は「前は『オレが、オレが』となっていたが、今はチームが勝つには何をするかでやっている。春の入れ替え戦を経験してそれが分かった」と言う。

 悲願まであと1勝。学校側は27日を休校にして応援団を繰り出すという。伊藤監督は「何があるか分からない。気を引き締めて青学大戦に行きます」と必勝を誓った。【米谷輝昭】