<神宮大会:東北福祉大5-4函館大>◇初日◇14日◇大学の部1回戦◇神宮
悲願の全国1勝にあと一歩届かなかった。函館大(北海道2連盟)は東北福祉大(東北3連盟)と対戦し4-5で惜敗。1点差に迫った最終回にあと1本が出なかった。阪内俊喜監督(53)は「後半はよく盛り返してくれた。1、2年生が多いので次につながる経験になった」と話した。
9回裏、1点を返し1点差に詰め寄った。なおも1死二、三塁。安打が出れば逆転のチャンスに小野辰之介(4年)は空振り三振。後続も倒れ、サヨナラ劇はならなかった。阪内監督は「最後の小野にはスクイズも考えたが、4年生最後の打席は打たせてやりたかった」と、ただ1人の4年生をねぎらった。
試合終了とともに小野の目に涙があふれた。同学年の仲間が春季リーグを最後に引退していく中、優勝した道東海大が出場した全国大会の試合を観戦。仲間とともに引退を考えたが、自分には野球しかないと思い秋も出場を決意した。「1年生が多いのでチームのためにもなれば」と秋季リーグも出場した。
「練習はいつも最初に来て最後に帰る」と永沼幸樹主将(3年)は先輩の姿を見つめていた。常に後輩の手本だった。小野は「最後の打席は自分のバッティングをしようと思った。全国まで来られて本当に充実した4年間だった」と振り返り初勝利を後輩へ託した。
前回出場の88年は、昭和天皇の容体の悪化で大会は中止。「来年は全国1勝したい」と永沼。先輩たちの思いを勝利につなげることは出来なかったが、意志を受け継いだ後輩たちが雪辱を誓っていた。【石井克】




