<社会人野球東京大会:富士重工4-1新日本石油ENEOS>◇22日◇決勝◇神宮

 富士重工(群馬)が、史上初の3連覇を目指した新日本石油ENEOS(神奈川)を下し、初優勝した。1-1の7回、相手野選と押し出しで2点を勝ち越し、先発の平井英一投手(31=国士舘大)が毎回の12奪三振で1失点完投。MVPは岩元信明外野手(30=明大)が首位打者とあわせて獲得した。また富士重工は今秋の日本選手権の出場権も得た。

 富士重工の水久保国一監督(42)はナインの手で胴上げされ「初優勝なんて信じられない。最高にうれしい」と声を震わせた。相手は2連覇中の新日本石油ENEOS。だが、培ってきた練習量でひるまなかった。8回まで毎回10安打と攻め続け、相手ミスを誘い4点を挙げた。昨年12月に就任した同監督はベテラン、若手区別なく中身の濃い練習を課した。「チームを一から立て直したかった」と言うように、12月は走り込み中心、年明けから振り込ませた。

 社会人9年目の岩元は「1日に1000本は振った。きつかったが、昨季はチーム打率が悪かったので必死だった」。そのかいあって決勝は3安打1打点。打率5割5分でMVP、首位打者をダブル獲得した。「新監督に優勝をプレゼントできたし、最高のスタートがきれた」と笑顔がはじけた。【佐々木紘一】