<東都大学野球:中大13-1立正大>◇第3週最終日◇23日◇神宮

 プロ注目の中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)が最速153キロをマークして今季2つ目の勝ち点をもたらした。昨秋の覇者・立正大に13-1で大勝した。沢村は被安打4、1失点で完投。打線も15安打してエースをもりたてた。これで中大は首位東洋大(勝ち点2、4勝1敗)に並んだ。

 沢村は、球速よりも勝利にこだわっていた。1回無死一塁。2番原田のバントは、小飛球になった。迷わず頭からダイブし、これをキャッチ。すぐさま一塁に送球し、併殺に打ち取った。「勝ちたいと思ったら自然と出る。気付いたらアウトだった」と熱っぽく振り返った。南とのエース対決となった20日の第1戦は、3回5失点で降板。「やられたらやり返す」の言葉どおり、4安打1失点で完投した。

 「100回投げたら、絶好調は2回。98回を、悪いなりに勝てれば良いと思っている」。この日も調子が良いとは言えなかった。3回、7番伊藤に148キロ直球を右翼席へ運ばれ、先制された。だが4回以降はカーブやスライダーを前回より多めに投げ、9回を投げ切った。大学生の神宮最速156キロの直球は、この日も153キロを計測したが「球速は1番になった。興味はない」とまで言った。「常に1番でありたい。勝ち星です」と話す背番号18のエースには、風格が漂っていた。【今井恵太】