<東都大学野球:立正大1-0国士舘大>◇第4週初日◇27日◇神宮

 立正大・南昌輝投手(4年=和歌山商)が国士舘大を1安打で完封した。プロ注目の151キロ右腕はこの日、最速147キロ止まりながら10三振を奪い、許した走者は2四球を含めて3人だけ。味方打線が4回に敵失で挙げた1点を守り、国士舘大に先勝した。同投手の完封は昨秋の国学院大戦以来2度目となった。

 立正大・南の打者に向かう気持ちは強い雨の中でも途切れなかった。7回2死から初の四球を与え、続く5番にはカウント2-3から3球ファウル。それでも逃げない。続く10球目、速球で左飛に打ち取った。「要所、要所で腕が振れた。真っすぐが良かった」と話した。

 球速は150キロに届いていない。それで三振10。140キロでも三振が取れた。「球速以上に感じてもらいたい」とキレを意識した投球。23日の中大3回戦では同じドラフト候補の沢村と投げ合い、6失点でKOされた。「いい球を投げようと思いすぎた」と反省し、投球バランスを修正。力まず低めを突いた。交えたフォークも効いた。

 「今日は自分の結果がよかったけど、打たれても勝てるゲームをつくりたい。まだカーブも決まらないし修正点はあります」。プロの視線を浴びる右腕は、1安打完封にも満足してはいなかった。