<東京6大学野球:慶大2-1早大>◇最終週初日◇29日◇神宮

 早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)は9回6安打9奪三振の好投が報われず、通算11敗目(27勝)を喫した。

 斎藤が顔をしかめて天を見上げた。4回2死一、三塁、5番高尾康に内角への144キロ直球を、中前に運ばれた。中堅手がダイブしたが、届かず(記録は二塁打)。勝ち点3で並ぶ大一番で先制を許した。9回は1死三塁から適時三塁打を浴びて、計2失点。それでも3回までは1人の走者も出さず、9回9奪三振と粘った。慶大・江藤監督に「今までで一番良かった」と言わせる内容だった。

 試合後は早大側の意向で、今季初黒星を喫した明大戦に続き会見場に現れなかった。小雨模様の中、神宮には満員の3万6000人が集まった。満員は斎藤が1年春の早慶2回戦以来。応武篤良監督(52)は「斎藤も緊張していると言っていた。2点は投手の責任ではない」とかばった。打撃陣が6四球ながら13残塁で援護できず、3季ぶりの優勝へ、1敗もできない状況に追い込まれた。