<東京6大学野球:早大7-3立大>◇第6週初日◇16日◇神宮

 勝ち点3で首位を走る早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)が、5回3失点と苦しみながらもリーグトップタイの4勝目(2敗)、通算31勝目(14敗)を挙げた。プロ志望届提出後初登板で、立大打線に9安打を浴びたが、最速148キロをマーク。6回から大石達也投手(4年=福岡大大濠)につなぎ、4季ぶりの優勝に前進した。

 斎藤が思わず打者に歩み寄った。1点リードの3回1死三塁のピンチ。内角低めのスライダーで空振りを奪ったボールが、相手打者に当たったかに見えながら捕手が後逸。判定は暴投で同点になり「当たったと思ったので本人に聞きました。反応してくれなかった」と苦笑い。これまでマウンドではポーカーフェースを貫いたが、大学ラストシーズンになって変わった。「今日も熱くなった」と感情を表に出した。

 優勝のために、勝利を追い求めた。5回は4連打を浴びたが、盗塁死と飛び出した走者を刺して無失点。5回9安打3四死球と苦しんだが、直後の6回に早大打線が4安打で勝ち越した。「今日は勝てて良かった」が実感だった。

 13日にプロ志望届を提出した。すでに1位指名を公言するヤクルト、ロッテなどから調査書が届き、立大戦後に両親と応武監督が球団側と面談を行う。周囲が騒がしくなる中、気持ちを切り替えて集中した。

 通算31勝は早大OBの元中日三沢らに並ぶ歴代14位タイ。立大戦で勝ち点を挙げれば、次週にも優勝が決まる。「心身とも充実してます」と最後の大学野球を楽しんでいる。最も少なければ、残る斎藤のリーグ戦登板は1試合。歓喜のゴールが近づいてきた。