11年秋のドラフトには、10年に1度と称されたハンカチ世代を上回る実力派がめじろ押しだ。東洋大の左腕、藤岡貴裕投手(3年=桐生一)、巨人が1位指名を公言した東海大・菅野智之投手(3年=東海大相模)、明大・野村祐輔投手(3年=広陵)が「大学ビッグ3」。

 いち早く来秋のドラフト候補をチェックした。

 東海大・菅野にとって、今年は飛躍の年だった。春の全日本大学選手権で準優勝すると、夏は世界大学選手権で学生最速タイの157キロをマーク。秋季リーグ戦では驚異の防御率0・18を記録し、明治神宮大会決勝では斎藤ら早大ドラ1トリオと互角に渡り合った。結果はまたも準優勝。「悔しくて30回くらいビデオを見た」というが、「漢字一文字で言うなら今年は『進』」。実りも多かった。

 ドラフトの超目玉として、14日には巨人が1位指名を表明した。「メジャーは未知の世界。今はあまり考えてないです。野球を続ければ、いつかそういうこともあるかなとは思うけど」と、まずは日本で活躍の夢を思い描く。早大・斎藤の卒業で大学野球の人気が落ちることも懸念している。「ファンが減るのは自分も斎藤さんもイヤ。期待される以上、僕が引っ張っていかないと。『巨人原監督のおいっ子』に恥じないプレーをします」。“主役”のバトンは菅野に引き継がれた。