11年秋のドラフトには、10年に1度と称されたハンカチ世代を上回る実力派がめじろ押しだ。東洋大の左腕、藤岡貴裕投手(3年=桐生一)、巨人が1位指名を公言した東海大・菅野智之投手(3年=東海大相模)、明大・野村祐輔投手(3年=広陵)が「大学ビッグ3」。

 いち早く来秋のドラフト候補をチェックした。

 早大・斎藤が去る東京6大学で、明大・野村は間違いなくリーグの顔となる投手だ。3年間で最優秀防御率を2度獲得して19勝、233奪三振。斎藤に次ぐ、リーグ史上7人目となる「30勝、300奪三振」達成が射程圏内だ。「記録に挑めるチャンス」と強く意識する。

 だが、明大・善波達也監督(48)は「甘い数字でない。究極の厳しい場面で勝ち切る投手なれば、それも可能」と、第1、第3戦を投げ切る体力と勝負どころでの制球力が課題とみる。野村も自覚し、この冬は基礎体力強化に力を入れている。

 柔らかな腕の振りが特徴だが、今まで1度も肩やヒジを痛めたことがないという。来秋を見据え「1年間ケガなくやること」が一番の目標だ。ドラフトは12球団OKの姿勢。「自分を必要としている球団に指名してもらえれば。メジャーもいずれは行ってみたい」と力強く語った。【清水智彦】