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力道山の孫慶応田村が出場切符/センバツ

 力道山の孫がリングではなく、高校野球の聖地で伝説をつくる。第80回選抜高校野球大会(3月22日から13日間、甲子園)の出場36校が25日、発表され、慶応(神奈川)が3年ぶり7度目の甲子園出場を決めた。プロレスラー・力道山の孫として注目されるエース格の田村圭投手(2年)は「力道山の孫ではなく、田村圭として世間に認められるよう、日本一を目指します」と、大暴れすることを誓った。記念大会にふさわしく、新たなメモリアル伝説が始まる。

 偉大な祖父を超えるための大舞台、甲子園への切符を手にした。午後3時半。大野校長からセンバツ出場決定の報告を受けた田村は、興奮気味にあふれる喜びを口にした。「実感がわいてきた。こんなに注目されるのは初めてなので緊張してます。かなり浮足立ってます」。端正な顔をクシャクシャにして笑った。

 戦後最大のヒーロー・力道山が暴漢に襲われて急逝した1963年12月、妻は田村の母浩美さんを身ごもっていた。その44年後の昨秋の関東大会で、祖父から受け継いだアスリートとしての素質を開花。186センチの長身から最速143キロの直球を投げ下ろし、強豪校を次々と撃破。エース格として準優勝に貢献しセンバツ出場を確実にした。

 これをきっかけに一躍脚光を浴びる存在になった。だが、うれしい半面、戸惑いを感じることも多かった。新聞やテレビでは常に「力道山の孫」として大きく扱われ「田村圭」という名前はほとんど知られていない。「新聞で僕の名前より力道山という見出しが大きくなるのはあまりうれしくない。甲子園では慶応の田村圭として認めてもらえるような活躍をしたい」。高校野球の歴史に名を残す快投を誓った。

 偉大な祖父の背中を追う田村の目標は高い。「まずはチームの優勝。今年の慶応にはそれだけの力があると思う。個人的にも大きいことをやってみたい。完封や奪三振の記録、それから球速にも注目してほしい」。昨年12月は1カ月間の完全ノースロー調整を敢行。徹底した走り込みで下半身を鍛えた。「確実にスピードアップしていると思う。春は140キロ台後半、夏には150キロを超える」と自信をのぞかせた。

 「おじいちゃんに負けたくない」という思いを募らせる一方で、祖父を尊敬する気持ちもふくらみ続けている。正月に墓参りした田村は「おじいちゃんがいたからこそ今の僕がいる。感謝の気持ちを伝えてきました」と明かした。選抜大会が80回目を迎えた今年は、慶応義塾150周年という節目の年と重なった。「これも何かの縁。慶応の年にしたい」。空手チョップよりスピードも威力もある“力道山ボール”で、大旋風を巻き起こす。【広瀬雷太】

[2008年1月26日9時17分 紙面から]

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