皆さん、2017ワールドベースボールクラシック(WBC)、ご覧になっていますよね? 熱戦に次ぐ熱戦で、応援にも力が入っていることと思います。
そんな侍ジャパンで、ここまで守護神として活躍している埼玉西武ライオンズの牧田和久選手について今回は書いてみようと思います。
もちろんプロ野球aiの取材で、何度もご本人にインタビューをさせていただいているのですが、「牧田選手ってどんな人ですか」と聞かれても、なかなかはっきりと答えられません。ライオンズファンの皆さんはすでにお気づきかと思いますが(笑)つかみどころがなく、ちょっと天然なのかなぁと思える部分もあり、そういった素顔と、マウンドとのギャップがまたファンの皆さんの心をつかんでいるのかなとも思います。
これまでの取材でわかったことと言えば…
【海が苦手らしい】
これは、以前自主トレーニングで一緒にハワイに行った菊池雄星選手の証言なのですが、「マキさんはずっと浮き輪から離れなかった」とのこと。最初、カナヅチだと思った菊池選手が「泳げないんですか?」と聞くと「泳げる!プールなら泳げる!」と全力で否定していました。
「足の下に何もないと考えると怖いんだよ。底に沈んでいく感じが怖い」と、苦手なのはあくまで「海で泳ぐ」ことだけだと言っていました。
それにしても、あれほど緊迫した場面でマウンドに行っても動じない精神力の持ち主なのに、浮き輪につかまってぷかぷかと漂っている姿は想像つきませんよね?(笑)
次は、これも菊池選手による牧田選手評。
【マイペース】
菊池選手によると、ロッカーで「やばい、急がなきゃ。やばい」と口では言っていても、「まーったく急いでいるようには見えない」のだそう。でも、牧田選手の中では最大限に急いでいる状態らしく、「普段はゆったりしているのにマウンドに行くと人が変わる。そこがかっこいいですよね」と菊池選手も語っていました。
それから…
【野球以外で何かを投げるときは上から投げる】
以前の取材で、牧田選手に「たとえば遊びで、ゴミ箱にゴミを投げ入れるときには上から投げますか?それともやっぱりアンダースローですか?」と素朴な疑問(?)をぶつけたことがあったのですが、牧田選手は「どっちだったかな、あれっ?あれっ?どっちで投げてるかな?」と一生懸命、投げるゼスチャーをしながらそのシチュエーションを思い出し、すごくまじめに「普通に上からです」と答えてくれたことを思い出しました。ai特有の柔らかめの質問にも、いつも誠実に向き合ってくださいます。
またぜひ本誌にもご登場いただきたいと願っていますので、ファンの皆さん、企画が実現するよう、編集部にどしどしリクエストをくださいね!
- 昨年11月に行われたファンフェスタにて。いつもサワヤカな笑顔をみせてくれる牧田選手です!
そんな素顔ばかりつづってしまいましたが、取材をしてきていちばん感じるのは「強いプロ意識を持った選手」だということです。ときには打者のタイミングを外すためにクイックで投げたり、投球テンポを工夫したりする独特の投球術を身に着けたのも、「生き残るためには独自のスタイルを見つけなければいけない」という思いからだそうです。
もちろんチームメートとは絶対的な信頼関係でつながっていて、団結もしていますが、必要以上に群れることはせず、黙々と個人のやるべきことを遂行する。「チームメートとはいえライバルでもあるから」と常々、明言するのも、高いプロ意識ゆえではないでしょうか。「自分の仕事をとにかくしっかり果たそう」という思いの強さは、2017ワールドベースボールクラシックの働きぶりからも伝わってきますよね。
さぁ、準決勝以降の活躍にも期待しましょう!
(市川忍)