短期決戦では、調子の悪い投手を長く投げさせる意味はない。我慢する間に試合は終わってしまう。ソフトバンクは、今季初めて中4日で先発させたミランダを降板させるタイミングが遅れ、連勝を逃した。

ファーストステージ初戦でも4回途中3失点と不調だったミランダは、序盤から制球が定まらず、1回に3点先制された。追い付いた直後の2回は2死一、二塁から源田に勝ち越し適時打を浴びた。この時点で36球を投げて、ストライクとボールが18球ずつでストライク率は50%。2球に1球がボールでは、捕手の組み立てにも限界がある。

ブルペンでは大竹、高橋礼が準備していた。源田の適時打の直後に継投に入るべきだが続投。続く浅村に3ランを許した。さらに続投させ、連続四球でピンチを広げた。結局2回7失点で降板。最終的にはストライク25球、ボール30球とストライク率は45%まで下がった。先発のストライク率は平均64%ほどで、タイトルを取る投手は70%前後になる。制球が定まらず、四球を恐れてストライクを取りにいったボールを狙われ、致命的な失点を重ねた。

西武多和田も3回までに5失点しながら、悪いながらも6回までストライク率61%で投げきった。西武有利な展開で進んだため、継投にも「逆転されるまで」という余裕があった。負けているチームは、引き離されれば苦しくなる。4、5回を3者凡退で抑えたソフトバンク3番手の高橋礼は、6回1死満塁のピンチから内野安打で1点を失った直後に交代となった。先発、中継ぎともに後手後手の継投で、西武の山賊打線を目覚めさせてしまった。(日刊スポーツ評論家)