ロッテ荻野が短いバットを試していると聞いたが、チャレンジするのはいいことだと思う。活躍への糸口になるかもしれないし、合わなければ止めればいいだけのこと。リスクはないに等しい。

ただ、長いバットを短く持つのと短いバットをそのまま使うのは、実際にはかなり違う。短くした分、昨季までのバットとはどうしてもバランスが違ってくる。使ってみて、いい方向に出ればいい。

目的がグリップ感が欲しいだけならば、他にも試す価値のあることはあった気はする。例えば今まで通りのバットの握る位置にテープでグリップの替わりになるものをつくったり、製作の段階で握る位置にグリップのあるバットをつくってもらったり。いろいろ試した中でベストなものを選ぶ方法もあったのでは? とも思う。

自分の現役時代は34インチ(約86・4センチ)のバットを使っていた。荻野みたいな短いバットを使ったことはないが、操作性のアップなどのメリットはあると思う。打席で本塁に近づいて立つ荻野には短いバットは合ってるかもしれない。好結果に結びつけてほしい。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ荻野貴司の約76センチの短いバット(右)。左は86センチのバット(撮影・久永壮真)
ロッテ荻野貴司の約76センチの短いバット(右)。左は86センチのバット(撮影・久永壮真)