小園海斗(2019年2月18日撮影)
小園海斗(2019年2月18日撮影)

日刊スポーツ評論家の篠塚和典氏(61)が23日、広島ドラフト1位小園海斗内野手(18=報徳学園)の動きをチェックした。阪神との練習試合、試合前の練習を視察。焦らずに体をつくることを提言した。

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小園の打撃を見て思ったのは、打ち始めの形がいいということ。バッティングは、投手に向かっていく時にどういう形になっているかが大事。中日根尾もそうだがバットを振り出すまで余分な動きがなく、自然な形でトップができて、投手に向かっていけている。

ただ現時点では、攻守両面で下半身がうまく使えていない部分がある。今日は素晴らしいダイビングキャッチもあったが、スローイングでは上半身に頼った投げ方をしている。守備でも捕ったらまず下半身でいくという意識を持って欲しい。守りは右から左、逆に打撃では左から右に体重移動しながらスイングする。方向は逆だが、下が移動して上がついてくるという理論は同じ。守りで下を意識すれば打撃にも良い影響を与えるはずだ。

フリー打撃の打球音も「ボコッ」という鈍い音で、鋭い「カンッ」という音が出ない。これはスイングがまだ弱いから。今日の試合で広島の3番に入った坂倉は小園と同じ高卒で、3年目の選手。スイングのキレ、スピードがあり、巨人から移籍した長野が絶賛していたのもうなずけるバッティングだった。小園も焦らず体をつくれば、数年後にはああいう振りができる。

とはいえプロ入り後初めてのキャンプ、実戦の中で楽しそうにやれているのはたいしたもの。広島はそんなに焦って新人を使うほど台所事情は苦しくないはず。3年くらいビシッと鍛えれば素晴らしい選手になる。(日刊スポーツ評論家)

4回表日本ハム2死一、二塁、小園は谷内の遊ゴロを好捕し、二塁ベースにタッチし一塁走者の清宮(手前)を封殺する(撮影・前田充)
4回表日本ハム2死一、二塁、小園は谷内の遊ゴロを好捕し、二塁ベースにタッチし一塁走者の清宮(手前)を封殺する(撮影・前田充)