5回表巨人2死二塁、丸は移籍初安打となる右中間への適時二塁打を放つ。投手九里(撮影・山崎安昭)
5回表巨人2死二塁、丸は移籍初安打となる右中間への適時二塁打を放つ。投手九里(撮影・山崎安昭)

いずれ安打が出るとは思っていただろうが、丸の二塁打は本人にとっても、監督・コーチにとってもホッとする一打だったと思う。真ん中付近の甘い球を見逃さず、素直にバットが出た。丸らしいスイングだった。それまでは開幕カードというのに加え、古巣相手に「何とかしなければ」という力みもあり、少し体が開いていた。これでだいぶ楽になっただろう。

ヒットがない時も四球で出塁はしていた。ただ、その四球も打ちたくて仕方がない中で結果的に選んだもの。今日、安打が出た後の四球は心に余裕を持ち、良い感じで球を見ることができていた。本人は3試合で安打1本じゃ納得しないかもしれないが、次は本拠地の東京ドームに戻っての阪神戦。もっと落ち着いて自分の打撃ができるだろう。

一方、気になるのが4番岡本。簡単にポップフライを打ち上げたり、三振が多かったりと内容が悪い。「打ちたい、打ちたい」という気持ちが強すぎ、手先だけでいっている。タイミングを取りながら打ちに行く中で、もう少し下半身を使うイメージで自分のバランスを考えてスイングする。それも練習から意識して振らないといけない。そうすれば自分の“バットの振り抜き”やスイングのバランスが分かるはずだ。

ただ開幕3連戦はどんな選手でも力が入る。それでうまくいく選手もいれば、いつもと違う打撃になる選手もいる。今年は全体的に力が入りすぎている感じがした。ホームに戻って反省し、練習の段階から試合にいい気持ちで入れるように準備をしてほしい。(日刊スポーツ評論家)

巨人原監督(右)の打撃指導を受ける岡本(撮影・垰建太)
巨人原監督(右)の打撃指導を受ける岡本(撮影・垰建太)