阪神はまたしてもミスで巨人を優位に立たせた。先発が安定感のある西だけに、ミスからの失点は致命的だった。

桧山 締まったゲームだったが、これだけミスがでると勝てません。もはや打てないのはわかっています。阪神のチームカラーが何かと問われれば守り抜くことだと思います。ピッチャーも守ってくれれば我慢が利くはずです。

4回無死一塁。岡本のバウンドが変わった二遊間のゴロを処理した木浪は、二塁ベースカバーに入った糸原にしたトスが間に合わず。糸原は、スライディングから立ち上がった一塁走者ビヤヌエバと交錯しながら一塁へ転送したが、それが悪送球になって一塁ベンチに飛び込んだ(記録は野選と失策)。

桧山 木浪のトスまでは仕方がない。でもその後の糸原は走り込んできたビヤヌエバに遠慮がちで、もっとがめつく一塁に投げるべきでした。糸原がいいボールを投げていれば、打者走者の岡本はタイミング的にアウトです。1死二塁で5番亀井との勝負になっているはずでした。

ビヤヌエバが二塁に滑り込んで、立ち上がった後で両手を上げたから送球を妨げたようにもみえた。しかし協議した審判団は「守備妨害の話はしていない。その後の走者の位置の確認」と説明。ボールデッドでビヤヌエバに2つの進塁権が与えられてホームインとなった。

桧山 守りで足を引っ張るゲームが続くと、ピッチャーとの信頼関係が崩れかねない。ここは締めたいところです。また7回2死二塁から8番山本に三塁打を浴びます。阪神サイドは巨人ベンチが9番メルセデスに代打を送るか否か思案しているとみたのか、その前の8番山本と勝負にいった。その初球をまんまと打ち返されてしまった。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

4回表巨人無死一塁、木浪からのトスを受け一塁へ送球するもセーフをアピールするビヤヌエバ(左)と邪魔になり悪送球する糸原(撮影・上田博志)
4回表巨人無死一塁、木浪からのトスを受け一塁へ送球するもセーフをアピールするビヤヌエバ(左)と邪魔になり悪送球する糸原(撮影・上田博志)