阪神対中日 2回裏阪神1死一塁、マルテ(右)は左越え同点2点本塁打を放ちハイタッチ(撮影・上田博志)
阪神対中日 2回裏阪神1死一塁、マルテ(右)は左越え同点2点本塁打を放ちハイタッチ(撮影・上田博志)

調子のいいチームと悪いチームの差が出た試合だった。中日はやらなくていい点をやり、阪神は2アウトからでも点が取れた。ただ終盤の守備固めを見ていると、懸念を抱く。阪神は3点リードの8回表にマルテがベンチに下がり、糸原が二塁から三塁、大山が三塁から一塁に回った。これに何の意図があるのだろうか。

私は現役時代にサードもファーストも経験したが、そう簡単ではない。サードで見るのと球の出方が逆になるから、ものすごく見にくい。打球にしても、どちらもライン側に切れていくので、球の質も変わってくる。それは糸原にも言えることだ。今は無難にこなしているので、はっきりとしたエラーの形で出てこないが、今後は1歩遅れるとか逆をつかれるなど、記録に表れないプレーが出てくる可能性はある。何かトラブルが起こった時には、こちらの方が不安定になると思う。

マルテの守備はうまく、代える必要を感じない。外国人選手は守備固めを使うと、守備に執着しなくなることがある。あまりいい影響はないんじゃないかと思う。どうしても代えたいなら、中谷を一塁で徹底的に鍛えて、勝負させれば、マルテも気合が入るだろう。

阪神対中日 9回表中日無死、一塁の守備についた大山悠輔は、阿部寿樹の打球をキャッチし、一塁のベースカバーに入ったラファエル・ドリスにトス(撮影・上山淳一)=2019年5月10日、甲子園球場
阪神対中日 9回表中日無死、一塁の守備についた大山悠輔は、阿部寿樹の打球をキャッチし、一塁のベースカバーに入ったラファエル・ドリスにトス(撮影・上山淳一)=2019年5月10日、甲子園球場