巨人対ロッテ 6回表ロッテ1死二、三塁、香月の左飛で、本塁好返球でタッチアップ生還を封じた亀井(撮影・浅見桂子)
巨人対ロッテ 6回表ロッテ1死二、三塁、香月の左飛で、本塁好返球でタッチアップ生還を封じた亀井(撮影・浅見桂子)

勝負どころでの外野手の送球と判断力が、明暗を分けた。巨人が勝ち越した5回裏2死二塁のシーン。岡本の打球が三遊間を抜けた。前進しながら捕球したロッテ清田は、本塁へワンバウンド送球。それも三塁側へそれた。ボールのスピードが失われ、二塁から丸を生還させた。

対照的だったのは6回表1死二、三塁での巨人亀井の守備だ。ほぼ左翼定位置へのフライで、俊足の三塁走者・岡はタッチアップを狙った。亀井の返球もややそれてはいたが、ホームにノーバウンドで返して併殺に。反撃の芽をつんだ。

捕手からすれば、レフトからの送球が三塁側にそれれば、ボールが走者とかぶって捕りにくくなる。また捕球後にタッチしに行くため、動作はワンテンポ、ツーテンポ遅れる。亀井の送球はノーバウンドだった分、捕手もタッチに移行しやすい。手前でバウンドしていれば、岡はセーフだったかもしれない。

捕手の本塁ブロックを禁止する「コリジョン(衝突)ルール」ができて3年。以前なら、捕手が体を張って走者を止めてアウトにしてくれた。言い換えれば、セーフのタイミングのものもアウトにできていた。だが現状では、外野手であろうと本塁にピンポイントで投げられないとアウトは取れない。判断を誤れば、アウトのタイミングのものをセーフにしてしまう。亀井はノーバウンドで投げようとした判断力、それを実現した送球力ともに優れていた。

視点を変えれば、走者にも差があった。ロッテ岡が真っすぐ本塁へヘッドスライディングしたのに対し、巨人丸はベース内側に滑り込んでタッチを避けていたことも、加えておく。(日刊スポーツ評論家)

巨人対ロッテ 5回裏巨人2死二塁、岡本の適時打で生還する丸。捕手江村(撮影・中島郁夫)
巨人対ロッテ 5回裏巨人2死二塁、岡本の適時打で生還する丸。捕手江村(撮影・中島郁夫)