私にとって交流戦での中日-西武戦は、とても感慨深い対戦になる。ともに長い間お世話になったチームで、どちらのチームを応援しているか? と質問されても正直、困ってしまう。もちろん冷静に試合を評論しようと思っていたが、西武の一方的な大勝で終わってしまった。今回は評論というより、個人的な思いを書き込んでみようと思う。

両チームで特に応援したい後輩は、中日では大島と福田。西武では栗山と中村。4人の中では、福田と栗山がスタメン出場していなかった。福田の本職は一塁と三塁の内野手で、好調な高橋が三塁を守り、一塁には4番のビシエドがいる。スタメン起用されないのは仕方ない。しかし、栗山がスタメン起用されていないのは納得できなかった。

今試合はDH制なしで、外野のスタメンは7番右翼で斉藤彰と8番左翼の金子侑だった。2人には申し訳ないが、どうみても栗山の方が力量は上だと思う。栗山は5回1死一、二塁から代打で二塁打した。ここで代打起用するぐらいならスタメン起用してほしい。休養を取らせながら起用しているのかもしれないが、休養明けの試合で、その必要もない。外野の広いナゴヤドームで守備を重視した起用だろうが、栗山の守備はそれほど悪くないと思う。

FA宣言で西武から中日に移籍した私が言うのもおかしいが、西武は歴史の浅い楽天を除く11球団で唯一、生え抜きの名球会打者がいない球団。栗山はFA残留をして生涯ライオンズを誓っている選手で、リーダー的な資質も備えている。今試合のヒットで、2000本まで残り224本。ライオンズのユニホームを着た姿で名球会入りしてほしい。個人的な感想で申し訳なかったが、これからも応援していきたい。(日刊スポーツ評論家)

中日対西武 5回表西武1死満塁、中2点適時二塁打を放つ栗山(撮影・森本幸一)
中日対西武 5回表西武1死満塁、中2点適時二塁打を放つ栗山(撮影・森本幸一)