わたしは阪神がアルカンタラを5点リードの8回に登板させたのは、ある意味、今後の外国人起用に関するテストをしているのだと思ってみていた。矢野監督は何が正解かをはかっていたはずだ。

阪神対DeNA 8回に登板する阪神アルカンタラ(撮影・清水貴仁)
阪神対DeNA 8回に登板する阪神アルカンタラ(撮影・清水貴仁)

ソトの打球は一、二塁間を抜け、宮崎を中飛、続く蝦名を二ゴロ併殺に打ち取った。このイニングを「0」で切り抜けたからヨシとすべきかもしれないが、抜群の投球内容とは受け取れなかった。

後半戦からリリーフに転じたアルカンタラだが、これが1点差の7回に投入できるかといえば難しい。そこまで信頼のできる内容だとは思えない。かといって敗戦処理というわけにもいかない。

監督をしてきた経験でいうと、複数外国人をはめる際、本来はピッチャーを優先してきたつもりだ。ただ現状の阪神投打の外国人の働きをみていると、アルカンタラを再び少し薄くなっている先発に戻すのが得策だろう。

マルテが戦列復帰し、調子が落ちているとはいえサンズも外すべきではない。そこへもって7月まで打率0割9分8厘と低調だったロハスが、8月は3割3分3厘と上昇してきた。まさに両打ちの本領発揮だ。

つまり、外国人枠を効果的に使うためには、マルテ、サンズ、ロハスの「野手3人制」で臨むのがベターだ。ピッチャーはスアレスが守護神、ガンケル、アルカンタラを先発で回しながら起用したい。

巨人も中田の補強が大きい。札幌のファンにあいさつをしてほしかったが、チームに貢献するのは間違いない。ヤクルトの攻撃力は勢いがつけば難敵だ。この上位チームとの直接対決を多く残す阪神は下位チームには勝ちきりたい。(日刊スポーツ評論家)

◆今季の外国人出場人数 外国人枠の出場登録は、昨季と同じく5人(ベンチ入りは4人)。一昨年までの4人からの拡大が維持される。内訳の扱いに変更がある。昨季は「投手4、野手1」または「投手1、野手4」の比率で登録した場合は、その後の変更は不可だったが、今季は変更することができる。ただし、登録枠の4人あるいは5人全員を投手または野手にすることはできない。

阪神対DeNA 2回裏阪神2死一塁、木浪の左中間をやぶる先制適時二塁打で一塁から一気に生還する走者ロハス・ジュニア(撮影・清水貴仁)
阪神対DeNA 2回裏阪神2死一塁、木浪の左中間をやぶる先制適時二塁打で一塁から一気に生還する走者ロハス・ジュニア(撮影・清水貴仁)