CSファイナルステージは、オリックスに1勝のアドバンテージがあるが、初戦の先発が山本なので、すでに“2勝分”と受けとることができる。それほどロッテにとって、難攻不落ということだ。

ロッテは楽天とのファーストステージを粘り強い戦いで勝ち上がった。パ・リーグで最もバランスの取れたチームだと評価しているし、本来の力を発揮した。しかも2連勝で終えた分、投手陣も余力を残した。

山本を打ち崩すことに尽きるが、ストレートの球威に、多彩な変化球は抜群の安定感で、簡単にはいかない。各打者ができるだけ球数を稼ぎながら、しつこく、いやらしい攻めをすることだ。楽天戦では外国人が機能した。恐らく初戦はエチェバリアを起用するだろう。荻野、中村、藤岡ら、機動力を生かせる人材をうまく絡ませたい。

ロッテ先発の石川に対するオリックスは、吉田正のカムバックでムードは必然的に盛り上がる。経験の少ない若手も、いい緊張感をもって戦えるだろうし、先手を取って山本を援護したい。

山本に次ぐ第2戦は田嶋を先発に立てるようだ。後半失速したとはいえ、宮城でいくと思っていた。対ロッテの防御率で、田嶋(2・37)と宮城(4・88)の相性を考えたのだろう。これが吉と出るか、凶と出るか。

9イニング制のルールなので、1勝のアドバンテージがあるオリックスは引き分けも勝ちに等しい。これも1つのアドバンテージといえる。逆にロッテは勝たないと活路は見いだせない。オリックス優勢とみる。(日刊スポーツ評論家)