突然の訪問に慌てた。昨年の12月27日。日本ハムの2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で豪華な顔ぶれがそろった。レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(30)が、日本ハム中田翔内野手(27)を引き連れて大谷翔平投手(22)のもとへやって来たのだ。大谷はその日、お昼頃に練習と取材対応を終えていた。報道陣もひと息ついていた時だった。めったに見られない3ショットを何とか納めようと、必死にカメラのシャッターを切った。

 ダルビッシュの隣に立つ大谷は、日ごろチームメートと並んでいると「大きい」と感じるが、とても小さく見えた。今オフは都内のジムで何度も一緒にトレーニングに励んでいる。先輩との練習は「ためになっている」と言うので具体的な内容を聞いてみたが「説明してもわからないと思う」と教えてはもらえなかった。それほど専門的に取り組んでいるようだ。このまま続けると、大谷もダルビッシュのようなボディーに仕上がるのだろうか。

 フリー打撃で汗を流す3人はとても楽しそうだった。中田と大谷が慕っているのが伝わった。日本ハム代々の顔。投手、野手関係なく、先輩と後輩で良好な関係を築けているのは、チームにとっても大きいと思う。

 私事だが、この日私は朝、新千歳空港からの飛行機に乗って鎌ケ谷入りした。悪天候によって新千歳に引き返す可能性のある「条件付き運行」だったが、無事たどり着き、この光景を目の当たりにすることができた。到着して1時間ほどの出来事だった。周囲には「ラッキーだ」と言われた。86年生まれで「ダルビッシュ、本田圭佑世代」と自称していた。そんな存在にお目にかかれたのも、個人的にうれしかった。【日本ハム担当=保坂果那】