1月は、プロ野球選手の自主トレ公開日が集中する。中旬、愛媛に向かった。同県出身でもある楽天安楽智大投手(20)の自主トレの取材だった。その日は、数年に1度の大寒波。四国でも雪が舞い、凍えそうな空気の中で練習を見ていた。グラウンドでのトレーニングを終えると、室内練習場に移動した。

 自主トレをともにしていたオリックス佐藤世那投手(19)が、大きな袋を持って来た。「みなさんでコーヒーどうぞ。安楽さんからです」。10人程度の記者やカメラマンに向けてだという。よく見るとブラック、微糖など種類も豊富。感謝を伝えると、安楽は「いや、全然」とクールだった。グラウンドと室内練習場は、徒歩5分ほどの距離。記者が移動した後、見えないところで用意してくれたのだろうコーヒーは熱いくらいに温かかった。

 数日後、沖縄に向かった。楽天銀次内野手(28)の自主トレ取材。グラウンドに隣接するビーチで、トレーニングをしていた。砂浜で写真を撮っていると、銀次が海でずっこけた。しかも、2回も。アクシデントではないと思った。海に入りそうになったボールを拾うと見せかけ、自らダイブしていた。「寒い」と言いながら、「ちゃんと写真撮れました?」と気遣う優しさ。まだまだ寒い日が続くが、何だかほっこりとした気分を味わえた。【楽天担当=栗田尚樹】