帰ってきた優勝請負人がファンサービスの充実を説いた。20日の選手会合同自主トレ終了後、定番になっている新人のあいさつの後に中日に裏方として戻ってきた久本祐一打撃投手(37)がマイクを握った。「優勝に導けるように頑張ります。何とか明るくしていきます」と宣言した。

 12年まで過ごした古巣・中日。選手会合同自主トレを見ていて「とにかく暗い。暗すぎる」とバッサリと切った。広島に4年間在籍し、感じたのはファンサービスの差。いかにファンが楽しめるのか-。飽きない企画を選手からも発案し、実行していたという。さらに「球場と球団事務所が隣接していないのはファンの声も届かない」と指摘。もっと楽しめる球場とは何かを、ファンの近くで考えないといけない。

 選手とファン、そして球団の一体感がチームを押し上げる。16年シーズンの終盤、広島戦があればナゴヤドームは真っ赤に染まった。勢いのある応援団に「ここは中日の本拠地だよね?」と思ったりもした。広島が昨季リーグ優勝を手にした要因を久本は、「ファンの方の力で勝たしてもらった部分もある」と証言する。ファンと二人三脚。チーム再建には必要な力だとあらためて感じた。【中日担当=宮崎えり子】