オリックスの宮崎キャンプで、初日から「ナカジ事件」が起きていた。

 メイン球場のフリー打撃を眺めていると、中島裕之が左翼に引っ張って柵越えをしているではないか。主力打者だから当然と思われるかもしれない。だが過去2年、キャンプ初日はコツンと右へのおっつけに終始していた。

 「内角が来たから、自然とレフトに打ってただけやで。スタンドまで飛んでたん?」。いつもの関西弁でからからと笑った。オフはほぼ無休で体を動かす、従来と違うアプローチを採用。福良監督も初日の動きに「体がしぼれている。去年後半の調子の良さが続いている」と目を細めた。

 ロッテ八島スコアラーは「パチンと芯で打って、しっかり球が飛んでいる。中島が打てば怖い打線だね」と警戒。米国経由で阪神入りの福留は、3年目で本来の姿を取り戻した。中島も今年が日本復帰3年目。“福留式”で期待に応えてくれる気がしている。【オリックス担当=大池和幸】