ロッテも対外試合が本格化し、開幕へ向けた生き残り競争が激化している。一方で、石垣島でキャンプを続ける2軍で巻き返しを期す選手もいる。黒沢翔太投手(28)もその1人だ。

 「3球勝負でも良かったのですが。欲をかきすぎました」と反省した。17日の紅白戦で、7回に登板。先頭井上を三ゴロに仕留め、三木は2球連続見逃しストライク。そこまでは良かった。だが、3球目。高めに外すつもりが、ぶつけてしまった。狂いが生じた。2死は取ったが、中村に適時三塁打を打たれた。

 1回1安打1失点。数字は素っ気ないが、新たな試みの結果だった。捕手から返球を受けると、素早くサインを確認し、また投げ始める。その間、わずか6、7秒。打者に考える暇を与えない。昨秋から取り組むスタイルだ。三木をポン、ポンと追い込んだのが成果だった。それだけに、死球で自ら流れを手放したことを悔やんだ。

 サイドスローで打ち取るタイプ。球速を求めた時期もあったが、“速さ”はそれだけじゃないと知った。高速テンポも武器になる。キャンプでのアピールは失敗したが、「下で結果を出して、チャンスをつかみます」と燃えている。チームではオンリーワンのスタイルで、7年目の初勝利をつかむ。【ロッテ担当=古川真弥】