川崎がホークスに電撃復帰した。この日はさっそく筑後で練習を行ったが、その存在感は想像以上のものだった。リハビリ組の選手とともに、遊撃のポジションで受けた内野ノック。入団3年目までの若手に交じり、誰よりも声を出していたのは、この日が「初筑後」の35歳だった。

 ほかの選手が捕球を失敗すると「皆、集中していこうぜ!」「腰を落として捕っていこう!」などと優しく声を掛け、ファインプレーには「いいよ、いい感じ!」と、声を張り上げる。たった1人でノックの雰囲気を明るく変えてみせた。最後は全員で手を合わせ「1、2、3、イエス!」の掛け声で終了。心から野球を楽しもうとする姿に、若手もさっそく刺激を受けていた。

 3年目の古沢は「僕らの世代にとって川崎さんは憧れの人。気軽に声をかけるなんて恐れ多くてできなかったけど、今日は練習が楽しかった」。2年目の谷川原も「川崎さんが1人いるだけで全然雰囲気が違う」と、目を丸くした。

 球団も川崎にはプレーだけでなく、チームの雰囲気づくりにも期待を寄せている。そんな中、練習初日からいきなり存在感をみせた川崎。これから周囲の選手たちがどう“化学変化”していくのか。今年のホークスの楽しみがまたひとつ増えた気がした。【ソフトバンク担当 福岡吉央】