プロ22年目でも中日荒木雅博内野手(39)はルーキーのように緊張していた。3月31日、東京ドームでの巨人との開幕戦。試合前練習中に、荒木は三塁ベンチの階段を踏み外しかけた。報道陣も一瞬ヒヤッとしたが、大事には至らなかった。

 荒木はおもむろに手のひらに「人」を3回書いて飲んだ。17年は2000安打まで39本でシーズン開幕を迎えた。400盗塁までは27個。大記録が待っている。「これだけ注目されるとね、どうしても緊張しちゃうね」と苦笑い。大ベテランもこれほど緊張で動揺することもあるのだと、驚きもした。

 開幕から8打席目で快音は聞かれた。2戦目の1日巨人戦(東京ドーム)。7回1死一、二塁から右前に運んだ。一塁ベース上で「泣きそうになったよ」。緊張から解き放たれたからなのか、ホッとした表情だった。3連敗で始まったが、まだまだこれから。勝利につながる1本を打ってくれるはずだ。

 2000安打を達成した瞬間、荒木はどのような表情を見せてくれるのだろうか。1打席、1安打をかみしめながら、目に焼き付けていきたいと思う。【中日担当 宮崎えり子】