ロッテのドラフト5位ルーキー、有吉優樹投手(26)がZOZOマリンでマウンドに登場すると、懐かしい歌が流れる。

 遠ざかる雲を見つめて♪

 まるで僕たちのようだねと君がつぶやく♪

 見えない未来を夢みて♪

 先月、不惑を迎えた記者にとって、20年以上前の学生時代にヒットした歌。記者席で口ずさみたくなる。そう、猿岩石の「白い雲のように」だ。当時まねしたわけじゃないけど、バッグを背負ってネパールを旅したことを思い出した。そんな若者、結構いたように思う。

 書くまでもないが、猿岩石を組んでいた有吉弘行と同じ名字だから、である。もっとも、有吉(注:ロッテの方)に聞くと「僕はこの歌、知らなかったです」。まだ小学校に入る前だもんね。そりゃ、そうだ。じゃあ、なんでこれにしたの? 答えは予想通り「涌井さんです」。同じくルーキー佐々木の登場曲にSMAPの「オレンジ」を選んだのも涌井だった。ちなみに「オレンジ」は失恋の歌。涌井に、なぜそんな曲にしたのか理由を尋ねたが、ニヤリと笑ってはぐらかされた。ともあれ、アドバイスを送るだけじゃない。愛情を込めた、エースの後輩いじりである。

 有吉は23日時点で、開幕から7試合連続無失点中。下位指名ながら、十分な戦力となっている。「打たれるまでは、この曲を続けようかなと思ってます」。良い曲を選んでもらって、よかったね。「涌井さん、自分で楽しんでるんだと思いますよ(笑い)」。投手陣の雰囲気は良好のようだ。【ロッテ担当=古川真弥】