DeNAが新たな取り組みを行う。神奈川・横須賀市にある選手寮「青星寮」の定番メニューである「青星寮カレー」が、横浜市内にある小学校の給食メニューとして提供される。約20万人の子どもたちに味わってもらうことで、チームを身近に感じてもらい、食の大切さも伝える試み。1年以上も前から準備してきた地域密着型の取り組みが5月に行われる。

 今季からDeNA担当することになり、この「青星寮カレー」の存在を知った。いつから始まったのかは定かではないが、昨季まで25年間プレーした三浦大輔氏(43=日刊スポーツ評論家)も新人時代に味わったというから、少なくとも25年以上は続いているという。大洋時代から入団した若手選手が受け継ぐ味だ。

 若手中心の寮とあって、1軍でプレーしている選手もいれば、ファームで鍛錬している選手もいる。スケジュールがバラバラの選手たちが、帰ってきたときにいつでも食べられるようにと、毎日用意するために始まったのが、このカレーだ。だから、主砲の筒香嘉智外野手(25)や、2年連続30セーブの山崎康晃投手(24)もこの味を食べて、“大きく”なった。今季新人最速で2勝目を挙げたドラ1ルーキーの浜口遥大投手(22)も今、力に変えて結果を出している。

 代々若手選手を支えた味だから、寮の料理長が替わるときには、球団側が面接の際、必ず質問することがあるという。「毎日カレーはつくれますか?」と確認するのだ。そうやって受け継がれ、マイナーチェンジを繰り返しながら、たどり着いた今のレシピを、今回の取り組みで提供する。低学年の子どもも食べられる辛さや味にアレンジした上で、給食に並ぶ。カレーはまさに国民食。こうやって子ども目線に合わせて、野球と関わる形があってもいいと思った。【栗田成芳】