こんなにうれしそうな笑顔を、今シーズン初めて見た。

 巨人村田が4日の広島戦で、三塁手として初めてスタメンに名を連ねた。

 今季は新加入のマギーが三塁に入り、一塁は阿部。村田はベンチで代打待機か、阿部の代わりに一塁手で出場する日々だった。全試合で先発出場中だったマギーを休養させる目的で巡ってきた、スタメン三塁の座。この日の試合前練習後、「もともと、ここ(三塁)が僕のポジションですから。一塁の方が負担が少ないかもしれないけど。2017年、いよいよ“開幕”です」と胸を張った。

 「サード村田」に、こだわりを持ってきた。東福岡高時代はエースとして甲子園に出場したが「松坂(現ソフトバンク)を見て、投手で勝てないと思った」と日大進学後に野手に転向。「打って守れるバッター」を新たな目標に設定し、三塁を永久の“職場”にすると志した。プロ入り後も、その誓いを貫いてきた。2度の本塁打王と同じぐらい、3度のゴールデングラブ賞受賞を誇りにしている。

 慣れ親しんだ持ち場で試合に入ると、バットも乗った。広島の左翼バティスタが飛球を見失って適時二塁打になる“幸運”も招き、4打数2安打1打点。広島戦の8連敗阻止に貢献した。5日の広島戦も5番三塁で2安打をマーク。このままサード村田が結果を残し続ければ、シーズン前に試した「三塁村田、二塁マギー、一塁阿部」の超攻撃的布陣が実現するかもしれない。【巨人担当 浜本卓也】