西武のレギュラーシーズン最終戦翌日の10月6日。7人の選手に、球団から来季契約を結ばない旨が通告された。上本達之捕手(36)渡辺直人内野手(36)木村昇吾内野手(37)鬼崎裕司内野手(34)大崎雄太朗外野手(32)岩尾利弘投手(30)佐藤勇投手(23)。30歳以上が6人。渡辺は「僕も若い選手が育ってきていることは感じている。それはチームにとっていいこと。強いライオンズを目指す中で、若手の底上げは必要なこと。球団の考えは理解できます」と言った。

 勝負の世界で必ず訪れる新旧交代。その受け止め方はそれぞれだった。

 上本 もう少しうまくなりたい気持ちもありますが、これだけ長くプレーできて、いい時間だった。いろんな人と出会ってここまでやれました。

 渡辺 ライオンズで死のうと思っていた。常勝チームの苦しい時期を、どう支えられるか。そこで自分の力を出し切ることは出来たと思う。悔いはない。楽しかった。

 木村昇 (移籍してからの)2年間、何もできず申し訳ない。こういう結果になったのは自分の力のなさ。球団には感謝しています。(右膝の手術から)復帰してから状態はよかった。オフにしっかりやればいけるというのも感じている。

 鬼崎 年齢的にも覚悟はしていました。悔いも後悔もありません。

 大崎 ここ数年(引退の時期を)考える中で戦ってきた。チームに必要とされなければ、退こうという思いはあった。これ以上通用しないというところまでやれた。自分の中であれをやっておけばよかった、ということはありません。

 木村昇は現役続行を希望。大崎はユニホームを脱ぎ、新たな道へ進むことを選んだ。上本、鬼崎は引退し、球団で選手を支えるポストに就く見込みだ。己の進退を自分で決められる選手は、ほんの一握り。戦力外という現実は、仮に覚悟していたとしても重い。これからも頑張ってほしい、とは軽々に言えない。だからこそ、岐路に立った男たちの、このひと言ひと言は、しっかり胸に止めておきたい。【西武担当 佐竹実】