チーム内で、よく耳にする。「海老蔵」。選手、コーチ、スタッフが「そっくり。似ている」と、みんな口をそろえる。歌舞伎俳優の市川海老蔵似。楽天の高卒2年目、村林一輝内野手(20=大塚)のことである。本人にそのことを直撃してみた。「いや~、みんなそう言ってくださるんですが、自分としてはそんな似ていないと思いますよ」と謙遜するが、りりしい眉毛と何かを訴えるような眼力の強さに圧倒される訳である。

プロ初安打となる二塁内野安打を放つ村林(2017年10月10日)
プロ初安打となる二塁内野安打を放つ村林(2017年10月10日)
16年1月の泉犬鷲寮入寮の際、愛用のグラブを手に歌舞伎のポーズを披露する村林
16年1月の泉犬鷲寮入寮の際、愛用のグラブを手に歌舞伎のポーズを披露する村林

 そんな村林が、いつも以上に鋭い眼光を向けていた。「今宮さんってもう守備終わっちゃいましたかね」。ソフトバンクの練習にくぎ付けとなっている。遊撃の名手・今宮の動きを勉強していた。「全てがすごい。送球、体の使い方。本当にすごい」。CSファースト、ファイナルステージのメンバーに入り込んだ村林は、その時間を無駄にはしていない。

 梨田監督からも久米島春季キャンプ中に「うちの海老蔵」と言われ、女性ファンからの人気もかなり高い。うらやましい限りだが、本人は「プレーで、覚えてもらえるようにしたいですね」と苦笑いを浮かべる。今宮のように、球界を代表する遊撃手へ-。“お稽古”の日々は続く。【楽天担当=栗田尚樹】