新米コーチが奮闘中です。「大変やね。選手時代の方が楽だった気がする」。そう苦笑いするのは新米コーチ、新井2軍育成コーチだ。今季限りで現役を引退し、指導者に転身。高知安芸キャンプで本格指導を開始しているが、その姿勢をひと言で表現するなら「熱血」に尽きる。

 朝6時起床から7時30分開始のコーチ会議に出席し、いざ練習へ。22時半には爆睡している日が多いという。「疲れたわ!」と柄にもない言葉を発しながらも、表情は充実感たっぷり。「やっぱり、みんな良くなってほしいから。いろんなことを気づいてあげたいと思ったら、神経をすり減らして見ないといけんからね」と爽やかに笑う。

 キャンプ中はフリー打撃の時間、後ろからジッと見つめ続ける姿が目立つ。「中途半端というか、軽はずみなことは言いたくないからね。いろんな角度からしっかり見て、それから選手と話し合う形になるかな。いい部分があれば、何を意識しているの、と聞いてみたりね」。ふと学生のころにお世話になった熱血先生の顔を思い出した。良太、いや新井コーチは間違いなく指導者に向いている。【阪神担当=佐井陽介】