ヤクルトが1月から進めていた、神宮クラブハウスの調理場の増築工事が3月上旬に完成した。総工費は約3000万円。広さは約2倍になり、IH調理器など調理器具も最新の物で整えられた。調理担当者も3~4人に倍増し、食の充実を図っていく。

 「若手育成」を食事面からもアシストするのが狙いだ。主に独身の若手が対象で、衣笠球団社長は「食の充実は、栄養バランスと同時に、おいしくないといけない。独身男性に、試合が終わって帰るときに、バランスの取れたおいしいものをと。おいしいものじゃないと、帰りにラーメンでも食った方がいいよってなったのではね」と説明する。

 新鮮な食材を使った食事から質の高い栄養を吸収してもらいたいからこそ、調理場の改革に乗り出した。今までは、あらかじめ調理されたものを搬入して提供してきた。今季からは、試合後もクラブハウス内で栄養バランスを考えた、できたての料理を提供することになる。衣笠球団社長は「今まではキャベツまでセンターで全部刻んできて温めるとか、その程度しかできなかった。誰かが鍋を振って(料理をする)とかは、なかった。ここはキャベツを1個買ってきたら、新鮮なまま料理できる」と効果を期待した。

 新調理場は、今季の本拠地初戦となる3月16日のオープン戦・広島戦から本格稼働。ヤクルトの「変革」は、厳しい鍛錬を積んでいるグラウンドを飛び出し、キッチンにまで及んでいる。【ヤクルト担当 浜本卓也】