<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク3-12阪神>◇17日◇タマホームスタジアム筑後

 工藤ホークスが敵地・千葉でサヨナラ負けしたこの日、若鷹たちも屈辱の大敗を喫してしまった。ウエスタン・リーグ開幕2戦目の阪神戦(タマスタ筑後)は3-12の完敗。期待の左腕笠谷が先発したが、制球が定まらずに大乱調。初回は3人で切ったが2回から別人投球。5安打7四死球で3回途中8失点KO。2番手伊藤祐も4四球を与えるなど4失点。登板した4投手で計14四死球。何とも疲労感の残る試合となった。

 2軍戦だからしょうがない、では終わらせたくない。公式戦開幕直後だからこそ、言っておきたい。2軍でも「プロ」である。本拠地・タマスタ筑後は有料なのだ。プロで「舞台」に立つ以上、「まだ調整ができていません」は言い訳にはならない。技術もさることながら「プロ意識」は忘れてもらいたくない。大敗にも試合後はスタンドから拍手が送られていたが、ファンの優しい視線に甘えてばかりはいられない。

 そんな中、必死で「居場所」をつかもうとしている男もいた。7番左翼で出場した育成ドラフト2位新人の周東佑京(しゅうとう・うきょう)内野手(22=東農大北海道オホーツク)だ。前日16日の開幕戦は代走で途中出場。打席はなかった。初スタメンのこの日は1打席目に見逃し三振に倒れたが、2打席目には四球を選び、すかさず二盗を決めた。30メートル走のタイムはチームトップクラスの3秒90。快足を披露すると、4打席目には左翼線を破って三塁打を放った。“プロ初安打”に白い歯を見せたが、プロ野球人生はスタートしたばかり。「大卒なんで焦りがあります。今年1年で支配下選手になれるようにしないと。今日は何としても結果を出したかったんです」。大敗の中の光明だった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】