「かがんでいるんですよ」。楽天内田は、そう説明した。「どうしてもボールに近くなりすぎて、前かがみになっています」と続けた。オープン戦で首位打者に輝いた男の表情は、どんよりしていた。オープン戦16試合で打率3割8分6厘。チームトップの4本塁打を放ち、初の開幕スタメンをつかんだ。だが、わずか3試合の出場に終わり、9打数無安打の成績で2軍に降格した。

 出場選手登録を抹消されてから、自身の打撃フォームを映像で分析した。「オープン戦で打っている時は、体が真っすぐ立っていることに気付いて。でも開幕してからは、かがんでいるんですよね。打たないといけないって思って、知らない内にボールに近づいていましたね」と気付いた。5年目で初めてつかんだ開幕スタメン。「緊張もあって、余裕がなかった」と振り返る。

 14日時点で2軍では規定打席を満たしていないが、出場8試合で打率3割7分1厘をマーク。さらに2本塁打と、持ち前のパワーを発揮している。昨季まで楽天に所属した西武松井からは「大丈夫や。チャンスは来るから」と背中を押された。内田は「落ちついて、自分の打撃をしていきたいです」と先を見据える。もう、かがまない。【楽天担当 栗田尚樹】